ゆるく継続メモ

本の感想文、花と雑学の備忘録

漫画『海獣の子供』を読む

五十嵐大介先生の漫画『海獣の子供
今のところ私が読んだ漫画の中で1番好きな漫画。
最初に感想文を書くならこれ!って決めてた。

なのでちょっと久しぶりに読み返し読み返し。
まとめまとめ。
いざ、


ちなみにこういう雰囲気を味わいたい人にオススメ↓

壮大     ★★★★★
神秘的    ★★★★
海を感じる  ★★★★★


そして読後、こうなる↓

・生命の起源について知りたくなる
・日常の出来事がすごく小さなことのように感じる
・五十嵐先生の他の作品を読みたくなる
(※個人差があります)




ざっくりあらすじ

人とうまく関わることのできない中学生の少女”琉花”がジュゴンに育てられたという不思議な少年“海”と“空”に出会い、忘れられない夏を過ごすこととなる。
その一方で世界各地で魚が発光して消えるという不可解な現象が起きている。
海と空、魚が消える謎との関わりとは・・・。




登場人物

琉花・・・気持ちを上手く言葉にすることができない中学生。
海・・・・ジュゴンに育てられた少年。天真爛漫な感じ。
空・・・・海と共にジュゴンに育てられた少年。海の兄のような存在。海(seaのほう)に纏わる謎について何か知ってる風。

あとはジムとかアングラードとか琉花のママとか重要な人は何人かいるけど省略。




感想

一言で言うと壮大。ずっと心が揺さぶられていたと思う。
自分の何となく持っていた常識や価値観を覆されっぱなしだった。

一見、海の生き物や出来事、謎の子供たちを通して、人間の起源や宇宙について迫っていくような物語に感じる。
でも、私にはそういうスケールの大きいテーマから家族との繋がりや生命の誕生など、私たちの身近にある事象を改めて考えされるような物語な気がした。

何より、海や空の出生や消える魚の謎について少しずつ明かされていく感じがすごく、わくわくする。
1巻から5巻(最終巻)までずっとわくわくしてたと思う。

あとは琉花の成長の物語でもあったと思う。
最初は口より先に手が出てしまう系女子だった琉花が海や空という不思議な少年達と出会い、生命の神秘や世界の真理に触れ、変わっていく。
まあ、あんな経験したら誰でも変わると思うわ(笑)


最終的にはすごく重大なことなのに自分の知らないところで日々、起きてるかもしれないっていうことに気付きかけそうな、気付いたら何だか怖いような、でも知りたいような(どっちや)不思議な感覚になった。

そして、五十嵐先生の絵のセンスに震える。
読んでいて夏の暑さや海の冷たさ、潮の匂いが感じれる。
まさに五感で漫画を読んでる感じだった。




心に残ったシーン

正直、めちゃめちゃあるんだけど、強いて挙げるなら


・4巻238Pでアングラード(登場人物紹介してない 汗)が空に対して言った

「世界の主役は人間じゃない。・・・そうだろ?」

このセリフを言うシーンでは、わりと重要な会話をアングラードと空の二人でしてるんだけど、つまりは『海獣の子供』の話全体的にこれを言ってるような気がする。
思い上がるなよ人間。
みたいな。
いや、言い過ぎか。さすがにこれは違うか(笑)

でも、世界って人間が中心のような感じがあるけど、動物や虫や魚、植物、たくさんの生命体が地球には溢れてて、人間なんてそのほんの一部にすぎないってこと。
理解してるようで理解してなかったなーって思った。



・5巻271Pで琉花が琉花ママに言った

「死ぬことは別の世界で産まれること?」

琉花ママはこの質問について特に答えてはないけど
(というか琉花も質問のつもりで聞いたわけじゃないかも)
私は”死”に対する解釈で一番好きな解釈の仕方だなって思った。
もし、大切な人が亡くなったとしても少し安心する。ような。
別の世界で産まれて生きてくれているって思うと”死んだら終わり”じゃないんだなって。



・5巻370P

「一番大切な約束は、言葉では交わさない」

まあ、感じろ!ってこと。
感じたままに。心に伝わってくる。ということ。多分!




最後に

久しぶりに読んでも相変わらず、心がざわっとしたよ。
少しでもネタバレなく私の熱が伝わればいいな、って思ってる。
まさに五感で『海獣の子供』って面白いんだよ!ってことを感じてほしい(は?)

では。