上橋菜穂子先生の『精霊の守り人』
どうやら児童書だったらしいけど、そんなこと全然知らずに読んでました。
綾瀬はるかさん主演でドラマ化もしてたみたいだけど、それも全く知らなかった(笑)
何となくファンタジーな気分だなぁ~って思って突発的に読んでみた。
ちなみにこういう雰囲気を味わいたい人にオススメ↓
ファンタジー ★★★★
バトル ★★★★
強い女 ★★★★★
ざっくりあらすじ
主人公の女用心棒‟バルサ”が、精霊の卵が体に宿ってしまった不憫な皇子‟チャグム”を命を懸けて追手から守るファンタジーバトル小説。
なぜ、精霊の卵がチャグムに宿ってしまったのか、そもそも精霊の卵って何?
登場人物
バルサ・・・めちゃめちゃ強い女用心棒
チャグム・・・精霊の卵が体に宿ってしまった皇子
その他、バルサの仲間たちや追手、もちろん精霊も。
感想
読んでみて思ったのが、聞きなれない名前とか、設定のわりには読みやすかった。
話もどんどん進むし、飽きずに読了。
バルサはチャグムの用心棒をちょっと嵌められ気味に引き受けた感じがあるし、チャグムもいきなりの逃亡生活になって戸惑いつつも生き死にが懸かってるから従わざるを得ないって感じで急に始まる。
用心棒として数多の死地を乗り越えてきた女(30歳)と温室育ちの皇子(11歳)の逃亡劇。
仲間たちと協力しながら追手と戦い、どんどん二人に絆が芽生えていきーーー
的な感じであるけど、できたら個人的にチャグムにはもっと皇子皇子しててほしかったかも。
もっとわがままで「何でこんなやつ守らなあかんねん」みたいなやつであってほしかった(笑)
いや、チャグムはこんな自分の生死が懸かった絶望的な状況で「疲れたよぉ、もう歩けないよぉ」みたいなこと言うようなやつじゃないんだ。
そもそも賢い少年っていう設定なんだ。
話的にはかなり序盤で「逃げなきゃいけません」「生死が懸かってます」「皇子の身体が奇妙です」ってことわかって始まるからだらだら感もなくて良かった。
とにかく精霊とか神話とか並行世界とかがわんさか出てくるからファンタジー好きには持ってこいなお話だったな。
私とか、私とか、わた
心に残ったシーン
246P バルサが養父ジグロの言葉をチャグムに語るシーン
「いいかげん人生を勘定するのは、やめようぜ、って言われたよ。不幸がいくら、幸福がいくらあった。あの時どえらい借金をおれにしちまった。・・・そんなふうに考えるはやめようぜ。金勘定するように、過ぎてきた日々を勘定したらむなしいだけだ。おれはお前と暮らしてるのが、きらいじゃない。それだけなんだ、ってね」
ジグロはバルサと共に理不尽な人生を歩むことになってしまった、バルサにとっては師匠のような存在。
バルサはジグロに対して負い目を感じてて、「自分の一生を生きてくれ」と言い一人で生きていこうとするんだけど、それに対してジグロから返ってきた言葉。
偶然にも完全に同意見だわ。
過去がどうだった、とか、人に比べてどうか、とかより‟今”、‟自分”はどうなのか。が重要なのだ!ってことでしょう。
最後に
「守り人シリーズ」って言って続編もあるみたい。
何なら外伝とかも含めると14巻(←!?)あるみたい。
バルサのことを好きっぽいキャラクターもいたし、チャグムの成長も追えるようなのでちょっと守り人の旅に出るとするかー。